Cisco ISR 1841 基本使用例

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動作モード

IOS には動作するモードがあり、それぞれでコマンドが有効になったり無効に なったりします。

モード昇格コマンド降格コマンド
1 初期モード enable
2 特権EXECモード configure terminal exit
3 グローバル config モード interface (インターフェイス名) exit end
4 インターフェイス config モード* exit end

ルータの設定は基本的にはグローバル config モードで行います。 グローバル config モードで設定を行うと、 running-config というメモリ領 域が編集されます。 そして、 exit などで特権 exec モードに戻る際に、 running-config メモリ の内容にルータの設定が変更されます。

グローバル config モードではルータにおいて一つしかないもの(ルーティン グテーブルなど)を設定します。 しかし、、インターフェイスやルーティングプロトコルなど、複数あって名前 が付いているものに対しては、それらを指定することにより、個別の設定モー ドになります。 例えば、

コマンド体系

?

?コマンドは入力した時にすぐに入力可能なコマンドや引数と その簡単な意味を表示し、再度入力状態に戻ります。 これはどのモードでも有効です。

例えば先頭で入力すると、入力可能なすべてのコマンドを表示します。 一方、例えば、特権 EXEC モードで show ? と入力すると show コマンドにおける可能な引数すべてを表示します。 なお、 <cr> は Enter キーの入力を意味します。

show

特権 EXEC モードでは show コマンドによりルータなどの様々な 状態を知ることができます。

show running-config
現在のルータの設定である running-config メモリの内容を表示します
show ip route
ルーティングテーブルを表示します
show interface [(インターフェイス名)]
インターフェイスの状態を表示します

no

config モードにおいて、設定項目を取り消すときは、消したい設定コマンド の先頭に no を付けます。

補完

IOS では曖昧さが無い限り入力コマンドは先頭の数文字だけで有効になります。 これにより素早いキー入力が可能になりますが、ミスタイプで意図しないコマ ンドが入力されることもありますので、注意が必要です。

設定例

  1. FastEthernet0/0 に 172.20.1.1/24 を設定
  2. FastEthernet0/1 に 172.20.2.1/24 を設定
  3. デフォルトゲートウェイを 172.20.1.254 に設定
  4. 172.20.0.0/16 を RIP で管理する(但し、デフォルトゲートウェイ情報を 流さない)

configure terminal

interface FastEthernet0/0
ip address 172.20.1.1 255.255.255.0
no shutdown
exit

interface FastEthernet0/1
ip address 172.20.2.1 255.255.255.0
no shutdown
exit

ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 172.20.1.254

router rip
network 172.20.0.0
exit

なお、デフォルトゲートウェイを流すには2通りあり、一つは rip config モー ドで redistribute コマンドを使用して、 RIP に流す情報を指定するもの、 もう一つは ip route コマンドでデフォルトを指定する代わりに ip default-network によって指定する方法です。


坂本直志 <sakamoto@c.dendai.ac.jp>
東京電機大学工学部情報通信工学科